
栄養管理科
栄養管理科では、患者さんの1日でも早い回復を願って、安全でおいしいお食事の提供に努めています。
入院中のお食事は、医師の指示のもと、治療の一環として患者さんの症状に応じたお食事を提供しており、特別な制限のない一般食においても、生活習慣病予防の観点から、栄養バランスの良い組み合わせをこころがけ、塩分量にも配慮した献立となっています。高血圧や心臓疾患等で塩分の制限が必要な患者さんの献立には無塩パンを使用しています。
退院後も食事療法の参考にされたいなどのご相談に応じます。
嚥下困難な方や、長期間お食事を召し上がっていなかった患者さんには、医師の指示のもと、嚥下訓練食を提供しています。段階を経て、お口から安全に召し上がることのできる嚥下訓練食をご用意しています。
季節に合わせた「行事食」を提供しております。
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ひな祭り(常食) | ひな祭り(やわらか食) |
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ひな祭り(えんげ食) |
管理栄養士が、患者さんの病態に応じた食事療法をいたします。
どのような食べ物をどのくらい食べたらよいか、また食べ方のコツや調理の工夫について患者さんの生活に合わせ、お一人お一人の食事内容についてお話します。
※ 栄養指導は、主治医からの予約が必要です。
指導実施時間 ・月~金曜日の9時~16時30分
栄養サポートチーム(NST)とは
NST(Nutrition Support Team, 栄養サポートチーム)とは、患者様に最適の栄養管理を提供するために、医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、臨床検査技師、理学療法士などで構成された医療チームのことです。
NSTは、病気や手術のために十分な食事が取れない患者様に最も適切な栄養補給の方法の提案や、病気の回復や合併症の予防に有用な栄養管理方法の提案などをおこなっています。
たとえ短期の入院であっても、その際にその患者様に最適な食事や栄養補給方法を提供することは、退院後の食生活や栄養管理の改善にもつながります。
当院のNSTについて
当院は一般病棟、地域包括ケア病棟がありますが、全ての病棟で、栄養状態が不良である患者さんに少しでも早く回復していただけるような体制をとっています。具体的には、入院時に栄養スクリーニングを全患者さんについて作成し、栄養状態が不良であると判定された患者さんについて、カンファレンス、回診を行い、主治医に提案を行っています。
栄養サポートチームには、医師・看護師・管理栄養士・薬剤師・臨床検査技師・理学療法士など、多職種が参加しており、週一回のミーティング、カンファレンスなどを行っています。
【栄養サポートチームの役割】
> 医師
- 病態・病状の把握
- 適正な栄養療法の設定、選択、実施または指示
- 実施した栄養療法の効果の判定、評価
- 主治医への提言
- NSTスタッフへの教育・指導
> 看護師
- 患者さんの情報収集(身体測定、主治医の治療方針、食事摂取量、排便排尿量、血液検査データの把握、えん下状況)
- 病態・病状の把握
- 栄養の調整が必要な患者さんの抽出(体重減少率、食事摂取量の減少が継続等)
- 適切な栄養療法の提言
- 栄養療法の実施、モニタリング、評価
> 管理栄養士
- 全患者さんの栄養管理情報の把握
- 栄養の調整が必要な患者さんの抽出
- 栄養アセスメントにより摂取栄養量と必要栄養量を算出し、食事内容を検討
- 栄養ケア計画の原案を作成・提言
- 栄養療法のモニタリング、評価
- 補助食品、栄養剤の情報提供
- 栄養指導
> 薬剤師
- 病態に応じた医薬品経腸栄養剤の選択
- 経静脈栄養患者さんに対する病態や検査データ、栄養状態の把握
- 服薬による副作用の確認
- 栄養療法関連製剤の情報提供
- 服薬指導
> 臨床検査技師
- 検査結果の報告
- 必要検査の提案
- 検査データの情報提供(項目間の関係等)
> 理学療法士
- 適正な食事提供の提言(摂取時の体位、介助方法)
- 患者さんが実施している訓練状況の情報提供(活動強度の確認、必要栄養量の適正算出の為)
入院患者さんへ
栄養状態が不良であると思われる患者さんには、NSTが積極的に介入し、栄養療法についての提言を行ないます。
- NST回診時の診察、栄養評価
- 主治医へ栄養療法についての提言
- 管理栄養士による栄養嗜好調査、食事形態・補助栄養食品などの提案
- 薬剤師による服薬指導、点滴内容についての説明
栄養療法の内容については、「栄養管理実施計画書・栄養管理実施報告書」を作成し、患者さん・ご家族さんにご提示しています。内容についてお尋ねの際は、入院病棟のナースステーションなどにお尋ねください。