診療科のご案内

内視鏡センター

 理念:「安全で苦痛の少ない内視鏡検査・内視鏡治療を迅速に行う」

はじめに

 近年内視鏡機器・内視鏡技術は非常に進歩しており、以前は手術を行なわなければならなかった疾患が内視鏡で治療可能になるというケースも増えております。この際、大事なのは「疾患の早期発見」です。当センターでは患者さんが内視鏡検査を受けるに当たって少しでも負担を軽くし、「検査をしてみようかな」と思っていただけるよう心掛けております。予約待ちは原則1週間以内とし、条件が合えば上部内視鏡(胃カメラ)については来院当日の検査も行なっております(下記参照)。「内視鏡が苦手」という患者さんには鎮静剤(眠れる薬)を使用した内視鏡や鼻から入れる内視鏡(経鼻内視鏡)を提案しております。

対象疾患
  1. 消化管
    • 消化管がん(食道がん、胃がん、大腸がん)
    • 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)
    • その他(胃十二指腸潰瘍、食道胃静脈瘤、感染性腸炎など)
  2. 胆道、膵臓
    • 胆道がん(胆管がん、胆嚢がん)、膵臓がん
    • 総胆管結石、急性胆管炎
    • 急性膵炎、慢性膵炎
      など
診療内容
  1. 消化管
     上部・下部内視鏡検査を軸として診断・治療を行っております。当院では患者さんが楽に検査を受けられることを重要視しております。上部内視鏡検査では患者さんの希望があれば経鼻内視鏡・鎮静下内視鏡検査を受けることができます。下部内視鏡検査では全ての患者さんに鎮痛剤を使用し、必要に応じて鎮静剤を追加しております。上部内視鏡検査で鎮静剤を使用した方と、下部内視鏡検査を行なった方は検査後リカバリールームでゆっくり休んでから御帰宅いただいております。

内視鏡検査

 消化管出血に対する緊急内視鏡については原則365日24時間対応しております。
 早期消化管癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術に関しては咽頭、頸部食道、十二指腸以外は当院で原則施行しております(高次医療機関での治療を希望された場合は速やかに紹介させていただいております)。治療適応の判定が困難な症例に対しては、拡大内視鏡・特殊光内視鏡を用いて精査した上で治療適応について十分外科と相談し治療方針を決定しております。

内視鏡検査

 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病など)に関しては血球除去療法、免疫調整剤、生物学的製剤による治療まで当院で対応しております。診断困難例、重症例、難治例、小児の症例、手術症例などに関しては必要に応じて専門施設へ紹介させてもらっております。

  1. 胆道、膵臓
     胆膵疾患(総胆管結石、胆膵癌など)は近年患者数が非常に増加しているため、地域のニーズに応えるべく、力を入れております。逆行性膵胆管造影(ERCP)、超音波内視鏡(EUS)も積極的に行っており、胆道感染症などに対する緊急ERCPについても原則365日24時間対応しております。
  2. 胃がん内視鏡検診
     2019年6月から足柄上地域において胃がん内視鏡検診が始まりました。胃がんを早期に発見し治療に結びつけるという検診の重要性に賛同し、当院においても内視鏡検診を開始いたしました。胃がん内視鏡検診ガイドラインの推奨に従い、当院の検診内視鏡においては鎮静剤を使用しておりませんが、検査時の苦痛を最小限にするため細い内視鏡(細径内視鏡)を受診者全員に用いております。検診内視鏡についても受診者の待ち時間を短縮できるよう努めており、原則1週間以内の検査予約が可能となっています。
  • 来院当日内視鏡検査について:患者さんが朝食を摂らずに来院し、9時半までに内科外来の受付を済ませ、当日検査の希望があった場合は、胃カメラ(上部内視鏡)検査を来院当日に施行しておりますのでご相談ください。
  • 鎮静剤使用について:胃カメラ(上部内視鏡)、大腸カメラ(大腸内視鏡)に苦手意識がある方、検査が初めてでこわい方、検査中に苦痛が強くなった方、などに対し、点滴の鎮静剤を使用して苦痛を最小化しております。鎮静剤を使用した場合は、安全のため、検査当日は車両運転が出来なくなりますのでご注意ください。
施設認定

 日本消化器病学会認定施設
 日本消化器内視鏡学会指導施設
 日本内科学会教育関連施設
 日本肝臓学会関連施設

診療実績

 平成31年(令和元年)検査件数

上部消化管内視鏡(胃カメラ) 2,406件
下部消化管内視鏡(大腸カメラ) 1,252件
内視鏡的止血術 121件
食道静脈瘤結紮術(EVL)/硬化療法(EIS) 16件
消化管粘膜下層剥離術(ESD) 36件
大腸ポリープ切除術(コールドポリペクトミー、EMR) 603件
内視鏡的消化管ステント留置術 26件
内視鏡的胃瘻造設術 11件
内視鏡的異物除去術 14件
内視鏡的イレウス管留置術 48件
内視鏡的逆行性膵胆管造影(ERCP) 306件
内視鏡的乳頭切開術(EST) 117件
内視鏡的胆道ステント留置術 177件
内視鏡的結石除去術 113件
超音波内視鏡(EUS) 49件
超音波内視鏡下組織診 EUS-FNA 10件
消化器内視鏡専門外来について

 毎週水曜日の午前9時から11時まで、消化器内視鏡専門外来を行っております。(診療担当:國司洋佑)
 ご希望の方は、かかりつけの診療所等から、当院の地域医療連携室を通して診療予約をお願いいたします。
 なお、水曜日以外でも消化器疾患の患者さんについては、内科新患外来で対応しておりますので、ご都合の良い日に御来院いただいて差し支えありません。

医療関係者の皆様へ(病診連携について)
  1. 患者さんの紹介について ~外来予約に係るお願い~
    (1) 消化器内科患者さんの紹介について
    • 消化器内科患者さんの紹介については、地域医療連携室を通して診療予約をお願いいたします。原則として、患者さんの都合のよい日時(平日午前中)で調整させていただいております。なお、緊急症例や困難症例でなければ、紹介状をもって患者さんが直接来院いただいても差し支えありません。
    (2) 内視鏡検査の予約について
    • 内視鏡検査については、所定の用紙に依頼事項を記入・FAXして頂き、予約日時を決定します。
    患者さんは予約時間に直接病院に来院し、検査後に帰宅。数日以内に内視鏡所見用紙(今後の方針などについても記載致します)を送付致します。詳しくは地域医療連携室までご連絡ください。

    (3) 緊急患者さんの場合
    緊急患者さんに関しては当日緊急での受け入れを行いますので、事前に電話で御一報ください。原則、消化器内科また総合診療科の医師が電話で対応いたします。

  2. 逆紹介について
     当院では慢性的な医師不足の状態が続いており、特に安定した外来患者さんについては積極的に近隣の診療所へ逆紹介をさせていただいております。逆紹介させていただいた患者さんの経過・方針等でご不明な点がありましたら、いつでもご連絡ください。