診療科のご案内

眼科

診療内容

 当科では月曜日から金曜日までの平日の午前中に外来診療を行っております。午後は眼科検査、レーザー治療、外来手術を行っております。また入院手術は主に木曜日に行っております。
 当科に初めて受診される方は様々な眼科検査がありますので時間に余裕をもっていらしてください。また初診の方は散瞳剤による眼底検査を行うことが多いのでなるべく公共交通機関でいらしてください。
 外来では混雑から、患者様にお待ちいただく時間などまだまだ改善すべき点もありますが、一歩一歩改善に努めております。

学会認定

 当院当科は日本眼科学会専門医制度研修施設として認定を受けています。

スタッフの紹介

医師名 認定資格等
医師
 杉江 正崇
日本眼科学会専門医

診療担当曜日に関しては外来診療担当表をご覧ください。

患者の皆さまへ

 私たち眼科が扱っている眼という臓器は直径が2センチ程度と小さいながらも、外界からの情報を多く脳へ伝えるための緻密な設計をされた生体部位です。
 眼はよくカメラのような構造と例えられますが、この小さい臓器の中には高性能カメラよりも優れた機能がたくさん存在します。私たちの社会生活の中で生活の質を向上するには健全な眼と正常な視覚は非常に重要なものと思われます。

 私たち足柄上病院眼科ではこのように重要な眼や視機能をおかすさまざまな病気の診断と治療を行っております。眼科の領域でも医療技術は目ざましいスピードで進歩しており、患者様中心でかつ質の高い安全で的確な医療を提供することを当科のモットーとしています。

 眼について不安をお持ちの患者様に対し安心して受診していただき、レベルの高い医療を心がけ、地域医療に貢献することをめざしております。

さまざまな眼の病気

白内障(はくないしょう)

 目の中には生きたレンズ(水晶体)あり、そこでピントを合わせてものを見ています。この水晶体が白く濁る病気が白内障です。
 原因はさまざまですが、最も一般的なのが老人性白内障で、他には糖尿病性、外傷性、アトピー性、薬剤性、先天性などがあります。水晶体が濁るとはっきりと物が見えなくなり、視力低下、かすみ、まぶしさなどの症状が起こります。一度濁ってしまった水晶体は薬では透明な状態には戻すことができません。症状が進んだ場合は手術を行います。白内障の手術は濁った水晶体を摘出し透明な人工の眼内レンズに入れ替える手術を行います。
 当院では超音波測定器と光干渉眼軸長測定器により患者さまに使用する眼内レンズの度数を決定し、より精度を高めております。手術はほとんどの症例に麻酔は目薬のみでおこない、傷口を3ミリの大きさでの無縫合手術を15分から20分程度で行っています。現在は2泊3日の入院手術で、約3ヶ月の予約待ちとなっています。また当院では、重症の白内障のために、前述のような術式が行なえないような難症例、全身合併症があり術後の管理が難しい症例、水晶体の支持組織が脆弱で術中合併症の可能性の高い症例などの治療も行なっています。

緑内障(りょくないしょう)

 緑内障は定期的な視野検査(動的視野検査・静的視野検査)によって経過を診ていきます。抗緑内障薬の点眼の進歩により点眼薬のみで進行を抑えることのできる症例も多く存在しますが、点眼薬のみで不十分な場合はレーザー隅角形成術や外科的なろ過手術という方法もあります。

屈折異常(くっせついじょう)

 眼科を受診される患者様の中には近視・遠視・乱視・老視などでお悩みの患者さまも多くいらっしゃいます。適切な検査を行い、患者さまに十分に理解していただき適切な方針をお示しできるよう心がけております。

眼球乾燥症・ドライアイ(がんきゅうかんそうしょう)

 眼のゴロゴロ感、しょぼしょぼする、眩しさなどの症状をお持ちの方にドライアイを合併している患者様は多くみられます。ドライアイの患者さまには涙液分泌量の検査を行い、生活環境の指導とともにまず点眼薬による治療を行います。

霰粒腫・麦粒腫(さんりゅうしゅ・ばくりゅうしゅ)

 いわゆるものもらいですが軽症は点眼薬や内服薬により治療を行います。薬が奏効しない例では手術を行うこともあります。

角結膜疾患(かくけつまくしっかん)

 日常診療でよくみられるアレルギー性結膜炎や細菌性結膜炎などのcommon diseaseなどの診断治療も的確に行うよう努めております。

糖尿病網膜症(とうにょうびょうもうまくしょう)

 文字通り糖尿病により起こる疾患です。適切な治療が行われないと重篤な視力障害をきたす可能性のある病気です。総合病院である当院では必要で内科にもご紹介させていただきます。まずは血糖コントロールを行っていただき、状態により造影剤を用いた蛍光眼底造影検査を行いレーザー治療も行っております。

網膜裂孔・網膜剥離(もうまくれっこう・もうまくはくり)

 蚊のような物が飛んで見えるといった飛蚊症の原因には生理的なものもありますが網膜裂孔や剥離の場合もあります。眼底検査を行うことにより診断することができます。必要でレーザー治療を行います。また場合によってはバックリング手術や硝子体手術といった手術加療が必要な場合もあります。

加齢黄斑変性症(かれいおうはんへんせいしょう)

 欧米先進国において成人の失明原因の第1位であり、日本でも近年急増しており、網膜の中心にある黄斑部の機能が老化に伴い劣化する疾患です。眼底の造影検査などを行い病態を把握します。近年、抗VEGF抗体の硝子体注入が認可になり可能になったため、必要な患者様には専門機関を紹介しています。

網膜血管閉塞症(もうまくけっかんへいそくしょう)

 網膜を栄養している動脈や静脈がつまってしまう疾患であり、必要に応じて蛍光眼底造影検査を行い、循環改善薬やレーザー治療を行います。また浮腫が強い症例では薬や手術で軽減させる方針をとる場合もあります。

ぶどう膜炎(ぶどうまくえん)

 眼の中に炎症反応を起こす疾患ですが代表的なものにベーチェット病、原田病、サルコイドーシスなどがあります。内科と連携し全身の観点から治療を行っていきます。