研修医

がんセンター呼吸器科(内科、外科)初期研修プログラム

 A.内科呼吸器臨床研修プログラム

対象

 卒後初期臨床研修・ローテート方式研修期間3週間程度

研修目標(GIO: General Instructional objectives)

 呼吸器悪性腫瘍の診療に関する基本的あるいは専門的内容について、特に内科面に関することについて判断できる能力を身につけることである。

行動目標(SBO: Specific Behavioral Objectives)個別目標
  1. 胸部聴診がきちんとでき、正常と異常を判別できる。
  2. 胸部X線写真の所見を述べることができ、正常と異常を判別できる。
  3. 胸部X線所見から、肺がんであるか否かを鑑別することができる。
  4. 胸部CT所見についての述べることができる。
  5. 胸部CT所見から、肺がんであるか否かを鑑別することができる。
  6. 呼吸器悪性腫瘍である場合の適切な診断指針を立てることができる。
  7. 呼吸機能検査の結果について、判断ができる。
  8. 動脈血ガス分析の結果について、判断ができる。
  9. 抗生物質の適応と副作用について述べることができ、適正な使用ができる。
  10. 抗がん剤の適応と副作用について述べることができる。
  11. 肺がん病期別の治療指針について述べることができる。
  12. III期非小細胞肺がんの治療方針について立てることができる。
  13. IV期非小細胞肺がんの治療方針について立てることができる。
  14. 限局型小細胞肺がんの治療方針を立てることができる。
  15. 進展型小細胞肺がんの治療方針を立てることができる。
  16. 高齢者・PS不良の進行肺がん例における治療方針を立てることができる。
  17. 患者や家族への病状の説明と同意について述べることができる。
  18. 緩和ケアについて方針を述べることができる。
研修方法

 主にA6病棟で研修する。入院患者の中から適当な症例を選択し、担当医となる。特定の主治医のもとで研修するのではなく、担当患者につき各主治医から指導する。胸部X線写真の読影、胸部CTの読影、気管支鏡フィルムの読影については、受け持ち患者に限らず、随時症例があるときに研修し、金曜朝には気管支鏡フィルムカンファレンス、同日午後2時から肺がん切除例に切り出し、4:30から胸部カンファレンスを行う。木曜日午後には胸部CT撮影を行う(薄切CTなど)。

週間スケジュール

  午前 午後 夕方
病棟診察 病棟診療  
病棟診察/気管支鏡検査 病棟診療/病棟CC  
病棟診察 病棟診療  
病棟診察 CT撮影/CT透視下生検 CT読影
病棟診察/気管支鏡検査 病理切出し X線CC

指導医リスト

指導医名 職名 学歴・資格など
野田 和正 部長 日本内科学会認定医、日本呼吸器学会専門医・指導医、日本呼吸器内視鏡学会専門医・指導医、日本医師会認定産業医、米国臨床腫瘍学会Active member、日本臨床腫瘍学会暫定専門医、日本癌治療学会臨床試験登録医
山田 耕三 医長 日本内科学会認定医、日本呼吸器学会専門医・指導医、日本呼吸器内視鏡学会専門医・指導医

呼吸器内科概要

 肺がんを中心とした呼吸器悪性腫瘍について、胸部CT(Thin-section CTを含む)、気管支鏡、CT透視下肺・縦隔・胸膜生検などを行って確定診断をつけ、切除可能例は呼吸器外科に、放射線照射適応例は放射線治療科に、それぞれ治療を依頼する。化学療法適応例は引き続き呼吸器内科で治療方針を決定し施行する。種々の臨床試験に適合する症例については、その旨の説明をしてインフォームド・コンセントが得られた場合にはそれらを実施し、得られない場合には実地医療としての化学療法または最良支持療法を行う。他院からの紹介例のうち、セカンド・オピニオンについても積極的に行う。末期症例や終末期症例については当科で看とるほかに、当施設の緩和ケア科や他院緩和ケア病棟あるいは一般病院へ紹介する(病々・病診連携)。

 B.呼吸器外科臨床研修プログラム

対象

 卒後初期研修・ローテート方式,研修期間4週間

研修目標

 呼吸器領域悪性腫瘍の外科診断学、病態生理、適切な治療法の選択、および外科的治療技術や周術期管理に関する基本的知識を身につけ、実践できるようにすること。

行動目標
  1. 胸部聴診で正常・異常の判別ができる
  2. 胸部X線写真の所見を述べることができる
  3. 胸部CTの所見を述べることができる
  4. 呼吸機能検査の結果を解析することができる
  5. 動脈血ガス分析の結果を解析することができる
  6. 肺がん病期別の治療方針をたてることができる
  7. 肺がんの手術適応について理解できる
  8. 肺がん対する術式の内容を理解できる
  9. 肺がん術前患者のリスク評価ができる
  10. 術後胸部ポータブルX線写真の所見を述べることができる
  11. 吸器外科術後の術創の管理ができる
  12. 胸腔穿刺を実施できる
  13. 胸腔ドレーンを挿入できる
  14. 術後胸腔ドレーンの管理ができる
  15. 開胸術後の病態生理を理解できる
  16. 術後合併症の種類と内容について述べることができる
  17. 患者や家族へ病状の説明と同意について述べることができる
研修方法

 A6病棟およびB4病棟(ICU・HCU)で研修する。当科ではチーム医療制で診療にあたっている。したがってチームの一員として研修を行うことになる。上記の研修目標を達成する上で、他のメンバーとのリアルタイムかつ密なコミュニケーションは欠かすことができない要素であり、この点の指導もきわめて重要視している。

週間スケジュール

  午前 午後 夕方
病棟回診/手術 手術 病棟回診
病棟回診 術前検討会 病棟回診
病棟回診/手術 手術 病棟回診
病棟回診/手術 手術 病棟回診
病棟回診/抄読会 切除標本切り出し
胸部カンファレンス
病棟回診

指導医

指導医名 職名 学歴・資格など
中山 治彦 部長 日本外科学会指導医・認定医、日本胸部外科学会指導医・認定医、日本呼吸器外科学会専門医、米国胸部外科医学会International member