各部門のご案内

DMATの活動

DMATロゴ 足柄上病院は神奈川県立病院機構の中で唯一の災害拠点病院であり、DMAT隊(Disaster Medical Assistance Team災害派遣医療チーム)を有しています。
 DMATは災害時に、急性期(おおむね48時間以内)に活動できる、機動性を持った、専門的な訓練を受けた医療チームのことを言います。活動の場は、地震や津波などの自然災害から、電車の脱線事故や高速道路上の多重事故などの人為災害まで広域にわたっています。
 構成員は医師・看護師・事務調整員で、1チーム4~5名で出動します。足柄上病院のDMAT隊は、救命救急部長、総合診療部長、救急看護認定看護師、救急外来看護師、薬剤師、事務職員で構成されています。

 2015年には、茨城県常総市での豪雨災害にて活動を行いました。

茨城県常総市の豪雨災害における足柄上病院DMAT隊の活動

 

熊本地震における足柄上病院救護班の活動

救急看護認定看護師 日本DMAT隊員
生田 正美

 このたび発生しました、熊本地震におきまして、被災された方々には、心からお見舞い申し上げます。
 4月25日~28日の4日間、足柄上病院は神奈川県が派遣する医療救護班の一員として災害地へ向かいました。
 熊本市内での活動でしたが、熊本市役所、中央区役所の一階部分はたくさんの避難者が床に段ボールや毛布を敷き生活を送っていました。役所の正面玄関では炊き出しが行われ、食事の時間には老いも若きも長蛇の列に並ばなければ食事を口にすることができず、給水車で生活水を補っている状態でした。入浴はできず、自家用車などの交通手段を持っている方は銭湯などに行ける方もいましたが、独居のご老人などは風呂に入ることもできない状況でした。活動のため毎日目にした熊本城は外壁が崩れ落ちていました。
 私達の主な活動は、①避難所での環境調査・避難者の健康状態の把握と診療、②エコノミークラス症候群の検査・診療でした。

①避難所の環境調査・避難者の健康状態の把握と診療

避難所での環境調査・避難者の健康状態の把握と診療 避難所は刻々と状況が変化しますので、ライフラインの状況、環境の衛生状態、具合の悪い方が何人いるのか、などを調査しました。看護師は被災者の方々に声を掛けながら巡回しました。顔色や表情に注意しながら話を聴き、血圧を測定して健康状態の観察を行っていきました。
 ある避難所でおじいさんが、「自宅が全壊し元気をなくして衰弱している。ご飯を食べず、栄養ゼリーばかりで心配しているので見てほしい」と連絡があり訪問しました。なんで食事が摂れないのか、よくよく話を聴いていくと、震災前から入れ歯の調子が悪く米粒が食べられないことがわかりました。偶然この避難所に歯科チームの巡回があり歯科チームへ繋ぐことができました。

エコノミークラス症候群の検査・診療 ②エコノミークラス症候群の検査・診療

 エコノミークラス症候群とは、主に足にできた血の塊が肺の血管に詰まり、肺梗塞を起こす病態で、胸痛や呼吸困難を起こし重症例では死に至る怖い病気です。地震によって、狭い車内で寝泊まりすることで、発症の危険性は高まります。私達はこのエコノミークラス症候群を発見するために、超音波で足の静脈に血栓がないか検査を行いました。20人を診察し結果6人が陽性であり、うち1人は重症になりうる可能性が高く、救急搬送しました。
 あるおばあさんは夫と避難中で、車中11泊後、避難所へ移動されていました。避難所でエコノミークラス症候群の検査を勧めましたが希望されませんでした。しかし巡回した私達看護師の話を聞き、検査を受けてみる気持ちになった様子で、1時間後、自ら窓口へいらっしゃいました。問診ではエコノミークラス症候群の危険性が高く、超音波では下肢静脈に血栓が発見されました。現在、胸痛や呼吸困難はありませんでしたが、重症になる可能性が極めて高い状態と判断し救急車にて病院へ搬送となりました。

 神奈川県の医療救護班は継続して現地で活動中です。一日も早い復興をお祈り申し上げます。

足柄上病院救護班