スタッフインタビュー

電話
menu

ご利用案内

特定行為研修修了看護師として

業務について

 私は経験年数10年目の看護師です。外科・整形外科病棟で働いています。一昨年度、当院で行われている「特定行為研修の創傷管理領域、創部ドレーン管理関連、栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連」のコースを受講しました。そして、昨年度から病棟で特定行為看護師として、乳がん手術の創部ドレーンや整形外科の膝や股関節の手術の創部ドレーンの抜去を行っています。また、病棟や手術室の特定行為看護師と共に整形外科の術前脱水に対する輸液による補正を行っています。

この職業(特定行為)を選んだ理由

 外科・整形外科病棟の看護師として経験年数が増え、後輩指導や学生指導を経験していく中で、「もっと疾患や治療方法に詳しくなりたい」「医師の思考を理解したい」「根拠を明確に伝えられるようになりたい」と思うようになりました。学習機会を探している時、院内で特定行為研修を行っていることを知り、研修内容に興味を持ちました。
  また、病棟では周術期の患者さんと関わる中で、術後の早期離床の必要性を感じ、早期離床に繋がるような関わりを意識してきましたが、創部ドレーンが挿入されていることによる動きにくさがあり苦痛を訴える患者さんもおり、離床することに消極的な患者さんの声を聞くことがありました。創部ドレーンは術後の傷を管理していくうえで治療上必要なものですが、抜去時期が来たら速やかに抜去することで感染予防に繋がります。患者さんをドレーン挿入による行動制限の苦痛から早く開放することもできます。医師は手術や急患対応、外来業務などもあり、抜去日の朝、病棟に来る時間がとれず抜去することが出来ないこともあります。病棟看護師が特定行為看護師となることで多忙な医師に代わり、手術等で病棟不在の時や土日でもタイムリーにドレーンを抜去できれば患者さんの早期離床への意欲向上につながり、患者さんにとって安全でより良い周術期の医療を提供できるのではないかと思い、特定行為研修の創部ドレーンの抜去関連のコースを受講しました。

仕事のやりがいについて

  整形外科の創部ドレーンは一部を除き術後2日目の朝9時頃にドレーンを抜去します。ドレーン抜去日の朝、事前に私が勤務となるように勤務調整をしていただき、病棟スタッフの協力を得ながらドレーン抜去を行っています。朝抜去することで患者さんは早期離床でき、ドレーン挿入中による苦痛から解放されます。病棟看護師は抜去後の状態を日中観察することができ、異常の早期発見に繋げられることや、必要時に医師へ速やかな報告と対応が可能となります。私が患者さんのもとへドレーン抜去に伺うと患者さんから「ああ良かった。早く抜いてもらえて。これがあると気になっちゃって。これで動きやすくなる。」などの声が多く聞かれ、抜去後に笑顔が見られることも多いです。
  また、整形外科の術前脱水の輸液による補正では、当院は高齢の入院患者さんが多く、術前から食思不振で水分摂取量の少ない方や、誤嚥の危険があるために経口補水液を飲めない方も多くいます。現在は対象とする患者さんを、特に術前脱水になりやすい大腿骨頸部骨折の手術を午後に行う患者さんとして特定行為看護師が介入を始めています。介入後から現在まで大きな術前脱水はなく経過し、患者さんは安全に手術に臨むことができています。
  特定行為看護師として、医師のタスクシフトを担うことで負担軽減に繋げるとともに、医師と連携しながら周術期の患者さんに対して、特定行為を安全に実施し、苦痛軽減と安全な医療を提供できていることにやりがいを感じています。