研修医

足柄上病院 外科臨床研修プログラム(選択必修・自由選択科目)

対象

 卒後初期臨床研修、ローテイト方式

 研修期間は、1ヶ月以上

研修目標(GIO)

 第一線の臨床医として、初期医療における外科的応急処置ができ、また手術適応に関して適切な判断が下せるために基本的な外科的知識、技能、態度を身につける。

行動目標(SBO)

 研修科目(一般外科、消化器外科、胸部外科、小児外科、血管外科、内分泌外科)
 臨床医として多様な患者のニードに対応できるように外科的患者に関し、適切な処置が出来る。
 基本的診察法、手技、治療法に加え、以下について習得する。

  1. 外科に必要な検査法を理解し、必要に応じ選択・指示し、その結果を解釈できる。
    1. 造影X線検査(上部・下部消化管造影、胆嚢胆管造影、血管造影、尿路造影)
      • 上部消化管造影
      • 下部消化管造影
      • 胆嚢胆管造影
      • 血管造影
      • 尿路造影
    2. CT、MRI検査
    3. 超音波検査
      • 腹部
      • 乳腺・甲状腺
    4. 核医学検査(各種シンチグラフィ-)
    5. 細胞診、病理検査
    6. 上部・下部内視鏡検査
    7. 肛門鏡検査
  2. 手術の適応・合併症について理解できる。
  3. 検査結果から見た手術術式の選択について理解できる。
  4. 手術所見、切除標本、術前検査結果との比較検討が出来る。
  5. 全身管理(術前術後の管理を含め)の習得。-基本的治療法-Ⅰを参照-
  6. 各種病態の中で手術療法が担う役割を理解する。
    1. 良性疾患
      • 手術適応と手術時期
      • 手術術式の意義と術後機能の問題
      • 手術手技の理解
      • 小手術の習得
    2. 悪性腫瘍
      • 化学療法と放射線療法の適応と限界
      • 固形癌に対する手術療法の適応と実際
      • 術後療法の適応
  7. 末期患者の管理を習得する。
    前述の末期医療の項目に加え
    • 栄養補給
    • 腸閉塞に対する対処
    • チ-ム医療の確立
    • 在宅治療への移行
  8. 以下の手術が監督下にできる。
    1. ヘルニア根治術
    2. 虫垂切除術
    3. 胸腔穿刺
    4. 腹腔穿刺

2年次外科を選択する研修医の場合(1ヶ月以上)

 ■一般目標(DIO):1年次のGIOの経験をさらに重ね、確実に習得する。

  1. 短時間で系統だった前進的理学的所見の把握
  2. 外科的処置を習得する
  3. 検査技術を経験する

 ■行動目標

  1. 問診・理学的所見から診断に向けての検査計画の作成と指示
  2. 術前患者の合併病変に対する診断と治療計画の作成と指示
  3. 術後患者の回復過程の理解と合併症の把握
  4. 外科的処置を術者または助手として習得する
    • 創処置
    • 気管切開、胸腔内ドレ-ン挿入
  5. 指導医の元で検査技術を経験する
    • 上部、下部消化管造影
    • 内視鏡検査
  6. 1年次に引き続き段階的に手術経験を積み重ねる
      ■術者として
    • 虫垂切除
    • 鼠径ヘルニア
    • 痔核手術
    • 下肢静脈瘤に対するストリッピング手術
      ■助手として
    • 胆嚢摘出術
    • 乳癌手術
    • 結腸癌手術
    • 胃切除術
研修方法
  1. 外科病棟(定床36床)、小児病棟、救急病棟等において指導医のもとに全入院患者を対象として研修を行う。術前、術後の管理に関しては積極的に参加する。手術期の検査は指導医と共に参加する。
    手術患者および家族に対する主治医の面談に立ち会う
  2. 休日を含め1ヵ月に最小限4回の当直を指導医のもとに行う。
  3. 患者の診療、処置、他科への依頼を指導医のもとに行う。
  4. 病棟および外来の処置および回診に参加する。
    • 外来カンファレンス(各種画像診断,読影、毎週水曜日夕方)に参加する。
      入院患者カンファレンス(毎週月曜夕方)に参加する。
    • 術前カンファレンス(毎週水曜日夕方)に参加、術前患者のプレゼンテーションを行い術式の説明を行う。
    • 内科、外科、放射線科合同カンファレンス(毎週月曜日夕方)に参加する。
    • CPC(第4木曜日5時)に参加する。
    • 各種検討会、病診連携勉強会に参加する。
  5. 下記の教材を用いる。
    1. 単行本:標準外科学      医学書院
    2. 単行本:外科学        中山書店
    3. 全集: 現代外科手術学体系  中山書店
    4. 単行本:外科病理学      文光堂
    5. 癌の外科 手術手技シリーズ  国立がんセンター
    6. 肺切除術 局所解剖と手術手技 朝倉書店
    7. 救急診断ガイド        現代医療社
    8. 手術手技ビデオ

週間スケジュール

  午前 午後 17:15~
病棟回診
手術
病棟業務
手術
 
病棟回診
内視鏡検査/消化管造影
病棟業務
内視鏡検査/消化管造影
病棟カンファランス
病棟回診
手術
病棟業務
手術
術前カンファランス
内科・外科カンファランス
病棟回診
内視鏡検査/消化管造影
病棟業務
内視鏡検査/消化管造影
 
病棟回診
手術
病棟業務
手術
MMGカンファランス

外科概要
  1. 病床数36床
  2. 常勤医 6名
  3. 日本外科学会認定研修指定施設
  4. 日本外科学会専門医認定制度関連施設
  5. 日本消化器外科学会認定関連施設
  6. 頚部、胸部、消化器、肝、胆、膵、乳腺、血管、小児等、一般外科領域のほとんどすべてを対象としている。鏡視下手術を積極的に取り入れている。
  7. 併設の緩和ケア病床(Best supportive care unit)を利用、診断から終末期までの集学的治療をめざす。