平成25年5月1日号 初夏号(通刊 第 44号) 足柄上病院ジャーナル(年3回−1月・5月・9月発行)) 足柄上病院の病院理念 「あ」:安全で安心な医療を提供します。 「し」:社会の要請を担う政策医療を展開します。 「か」:患者中心の医療を実践します。 「み」:魅力ある自立した病院を目指します。 着任のご挨拶 事務局長 湯朝 淳(ゆあさ きよし)  4月から足柄上病院にまいりました。皆様よろしくお願いします。  平成25年度は、足柄上病院をはじめ県立5病院が、神奈川県病院事業庁から地方独立行政法人神 奈川県立病院機構に移行して4年目となります。  幼稚園の年少組の子供で言えば、同い年の子供たちとの社会生活を初めて経験し、自立化への第 一歩を踏み出す時期でもあります。  地方独立行政法人に移行する直前の、平成21年度には、足柄上病院の病院事業収益のうち約3割 は、県からの負担金でした。  移行後は、救急要請による救急患者の受入拡大などに取り組んできた結果、今年度は病院事業収 益のうち県からの負担金は約2割を計画しており、地域の医療ニーズにより一層応えるとともに、そ の分病院運営の自由度が増すことを目指しております。  今年度も、救急患者の受入拡大や、がん要精密検査の受入、体の負担の少ない内視鏡等の手術の 増加に取り組んでいきます。病院長をはじめ病院職員の目指す医療と地域の医療ニーズとの間の “かけはし”を実現するためにこれからも力を合わせていきましょう。  これらにより、足柄上病院は県西地域の医療機関と連携した中核病院の役割を果たしてまいりま す。どうぞよろしくお願い致します。 副院長兼看護局長 橋 祐子(たかはし ゆうこ)  この4月から、足柄上病院に副院長兼看護局長として赴任してまいりました橋祐子です。私は 2年前まで、足柄上病院に勤務していました。実は今回の足柄上病院への着任は、5度目となりま す。そのため、足柄上病院への愛着も強く、ここで働けますことを大変うれしく思っております。  さて、一般病院である足柄上病院の使命は、「地域に住む方々のあらゆる健康上のニーズに応 えていくこと」と考えております。神奈川県でも高齢化率の高い地域であり、高齢者の健康上のニ ーズにどのように応えていくかが常に求められます。また、一方では合計特殊出生率が神奈川県内 で10位以内に入る市町村が3つあり、出産のニーズに応えていくことが求められています。これら の使命は病院だけで果たせるものではなく、地域の医療機関を始めとする行政機関等々様々な組織 との連携を強化していくことが欠かせないことと考えております。  2年ぶりに戻りました病院内の職員の様子としましては、意識の変化・向上を強く実感しました。 地域のニーズに応えようとする意識が、院長を始めとした管理者やその他の職員にも強く感じられ ます。私もその中に入り、協働して病院の使命を果たせるよう精一杯取り組んでまいりますので、 どうぞよろしくお願い致します。 眼科 田口 和之(たにぐち かずゆき)  「百聞は一見にしかず」といわれるように身の回りの情報の多くは眼を通して入ってきます。眼 も体の他の臓器と同じように重要な体の一部ですが、眼の健康についてはよくわかっていない人が 多いのではないのでしょうか。  今回は専門外来として眼科を紹介させていただきます。  眼科外来は医師1名、視能訓練士1名の体制です。月曜・火曜・水曜・金曜日朝8時半(総合受 付は7時半)から11時まで、木曜日は8時半(総合受付は7時半)から10時までの受付で診察を行 っています。診察は8時45分からで曜日によっては入院患者、手術後の患者さんを先に診察してい ます。  月曜・火曜・水曜・金曜日の午後は予約診察としています。蛍光眼底造影検査、レーザー治療、 処置、手術説明などを行っています。木曜日午後は手術日となっています。  現在のところ当科では午前の一般診察では予約はしていません。紹介状のない方も順番に診察を 行っています。  当科では視力検査や散瞳検査(点眼により瞳を開いて眼の中を見る検査)など時間がかかる検査 がありますので時間には余裕をもって来院してください。また検査の後は車の運転などはできなく なりますので公共の交通機関で来院ください。  当科での診療の詳細はホームページでご確認ください。 眼科で扱う主要な疾患について 【 白内障 】  眼の中の水晶体が濁ってくるために視力の低下が起こります。点眼では改善しないので手術によ る治療が中心になります。  現在当院では入院で手術を行っておりますが、3カ月程度の待ちとなっております。 【 緑内障 】  何らかの原因で視神経が障害を受け視野が狭くなる病気  一度障害を受けた視神経が元に戻ることはないので点眼による治療を行いますが、悪化すれば手 術になることもあります。 【 糖尿病網膜症 】  糖尿病による高血糖とそれに伴う代謝異常によって網膜の血管が損なわれる病気  内科での治療(食事療法・運動療法・薬物療法)が中心となりますが症状が進行すれば眼科で蛍光 眼底造影検査やレーザーによる治療を行うこともあります。 【 網膜剥離 】  網膜が破れ(孔があき)そこから網膜がはがれてくるもので、飛蚊症、視野欠損、視力低下等が みとめられます。レーザーによる治療、悪化すれば手術による治療が必要です。  治療が遅れると失明につながることがあります。 レーザー治療は当院で可能ですが、悪化すれば大学病院などへの紹介を致します。  病気は様々であげればきりがありません。健康診断で眼科受診をすすめられたり、視力の低下や 見え方がおかしいなどの症状があるときは眼科を受診してください。 マンモグラフィ認定技師について 放射線技術科 マンモグラフィ認定技師 岩本 里美(いわもと さとみ) マンモグラフィ認定技師って?  マンモグラフィは、乳房のX線撮影の事です。乳房は柔らかく、立体で厚みがあるためそのまま 撮影すると乳腺や脂肪、血管の重なりで実際に腫瘍や石灰化が写しだされない事があります。その ため専用のX線装置で、乳房を圧迫版で挟み平たくして撮影します。この際に圧迫感や痛みを感じ る事があります。しかし、良い写真を撮る為にはとても重要なことです。また、マンモグラフィは X線撮影のため被曝は避けられません。しかし圧迫することで少ない線量での撮影をしています。 そんなマンモグラフィ検査の効果を十分発揮させるために高い撮影技術と装置の精度管理が必要と なりマンモグラフィ検診精度管理中央委員会によるマンモグラフィ認定技師制度が発足されました。 日本の乳がん事情  乳がんはここ30年で急激な増加をしています。特に40代から50代の働き盛りの女性の罹患率が高 いがんです。年間約3万5千人が発症し、約1万人が死亡しています。また、乳がんには、女性ホ ルモン(エストロゲン)が大きく関わっています。エストロゲンの分泌される期間が長いと乳がんの リスクが高まります。現代の女性のライフスタイルや脂肪を多くとる食生活などの影響で、エスト ロゲンに長く、多くさらされている状態になっています。また、乳がんは女性の壮年期(30〜64歳) のがん死亡原因のトップとなっています。現在乳がんの予防法はありません。しかし、乳がんは早 期に発見し早期に治療することで9割以上の人が治癒します。乳がんは初期の段階で見つければ、 決して怖い病気ではありません。そのため、乳がんを減少させるために有効ながん検診の推奨と検 診の「質」の維持が求められるようになってきました。  私は検査に来られた方から、マンモグラフィは「痛い」また「恥ずかしい」という声をよく聴き ます。そのような声に少しでも応えられるようマンモグラフィ認定技師を取得しました。マンモグ ラフィの検査では、次回も受けていただけるよう同じ女性として「痛くない」「恥ずかしくない」 検査を心がけています。  また、認定技師としての良質な画像も追求しながら日々検討しています。当院のマンモグラフィ 認定技師はすべてが女性です。身構えずに気軽な気持ちで乳がん検診を受けていただけたらと思い ます。  風邪を引いた?などで診察された患者さんの健康状態をチェックする検査の中に一般撮影検査が あります。この度、当院ではX線検査が少しでも患者さんのご負担を軽減できるように一般撮影装 置デジタルX線装置(DR CALNEO U/MT)を導入しました。今までのX線撮影(CR)に比べ線量 の低減と高画質が得られるフラットパネルディテクタ(FDP)を搭載した装置です。被曝が低減され、 画像確認が瞬時にできるため検査時間の短縮に役立ち、更に高性能画像提供ができるようになりま した。 糖尿病について 総合診療科 北村 友一(きたむら ゆういち) はじめに  糖尿病患者の世界的な急増が各地で深刻な問題となっています。平成19年の調査では、糖尿病患 者890万人、予備軍も合わせると2,210万人と報告されております。また、年間 3,500人が糖尿病網 膜症により新たに失明し、15,000人が糖尿病腎症から新規透析導入に至るなど、糖尿病の総医療費 は約2兆円と推測されており、医療経済の面でも大きな課題となっています。  糖尿病は無症状のうちに発症し無自覚で経過するため治療中断者が多く、近い将来に重症糖尿病 合併症の患者増加が危惧される事態に直面しています。この問題への対策として、日本医師会、日 本糖尿病学会、日本糖尿病協会の三者が「日本糖尿病対策推進会議」を立ち上げ、糖尿病患者をか かりつけ医でも治療して行けるよう診療体制の整備を進めています。  また、2006年に「良質な医療を提供する体制を図るための医療法等の一部を改正する法律」が施 行され、「地域連携クリニカルパスの普及」が盛り込まれましたが、「糖尿病地域連携パス」はそ の事業の一環として位置づけられています。 糖尿病地域連携パスの目的  糖尿病は発症から生涯にわたる良好な血糖コントロールと定期検査が欠かせない疾患です。地域 の基幹病院で糖尿病教育や血糖コントロール、合併症の検査や治療を受けた後、かかりつけ医へと 戻って行きますが、必要に応じて再び基幹病院へ紹介となるケースもあります。  糖尿病地域連携パスは、糖尿病についての病診連携と役割分担を明らかにし、安全で質の高い医 療を提供するシステムを構築するとともに、糖尿病の早期発見と早期介入、治療脱落の防止や良好 な血糖コントロールの維持、合併症の予防と早期発見並びに治療などを目的とするシステムであり、 病院とかかりつけ医との間で患者紹介・逆紹介が随時行われる「循環型パス」として各地域で運用 が開始されています。 【当院における糖尿病診療への取り組み】  現在当院では、医師、看護師、管理栄養士、理学療法士、臨床検査技師、臨床心理士で構成する 糖尿病診療チームを作っており、患者さんへの教育や指導、ミーティングによるスタッフ間での情 報共有、年間7回の糖尿病地域公開講座などを行なっています。  また、糖尿病コントロールのためのプログラムとして、1日教室、3泊4日入院、2週間入院の 3種類を運用しています(糖尿病の重症度、患者さんの生活状況などにより選択します)。  大学病院から週1回 糖尿病専門医の先生に来ていただき、T型糖尿病やコントロール不良な症 例に関して診療をお願いしています。 平成25年度「糖尿病公開講座」(第1〜3回の講演予定) 第1回 5月23日(木) 糖尿病総論 第2回 7月25日(木) 栄養指導 第3回 9月26日(木) 糖尿病合併症  場所・・・足柄上病院 講義室  時間・・・17:00〜18:00  費用・・・無料 予約・・・不要  対象・・糖尿病患者・家族及び一般の方 足柄上病院のドクター紹介(シリーズ18) 〜 新任の医師 〜 @診療科 A専門分野・得意分野 B一言メッセージ 太田 光泰(おおたみつやす) @総合診療科(内科) A内科診断学(臨床推論)、総合内科、消化器内科 B少しでも皆様のお役に立てますよう精進致します。 松林 真央(まつばやしまお) @総合診療科(内科) A消化器内科 B皆様のお役に立てるよう頑張ります。 倉上 優一(くらかみゆういち) @総合診療科(内科) A総合診療 B宜しくお願い致します。 神野 正智(かんのまさとも) @総合診療科(内科) A特になし B宜しくお願い致します。 小野 嘉文(おのよしふみ) @総合診療科(内科) A一般内科 B気軽に何でもお尋ね下さい。 東 真伊(あずままい) @循環器内科 Aまだ決めていません。 B笑顔を忘れず頑張りますので宜しくお願い致します。 白井 順也(しらいじゅんや) @外科 A消化器外科 B宜しくお願い致します。 上條 晃(かみじょうあきら) @整形外科 A脊椎外科 B宜しくお願い致します。 古谷 一水(ふるやかずみ) @整形外科 A B宜しくお願い致します。 小林 大悟(こばやしだいご) @整形外科 A外傷 B地域に貢献できるように頑張ります。 吉田 孝(よしだたかし) @産婦人科 A産婦人科一般 B宜しくお願い致します。 上野 大樹(うえのだいき) @泌尿器科 A泌尿器科一般 B宜しくお願い致します。 前畑賢一郎(まえはたいちけんろう) @産婦人科 A婦人科腫瘍全般、内視鏡手術 B皆様の力添えを宜しくお願い致します。 新任職員の方々です! よろしくお願いします。 丹下 純子(たんげじゅんこ) 副看護局長  初めて足柄上病院に参りました、どうぞよろしくお願い致します。  山並みに囲まれた自然豊かな環境で緊張も和らぎました。地域に根ざした病院として、 魅力ある看護が提供できるよう皆さんと共に一緒に取り組んでいきたいと思います。 佐藤 良枝(さとうよしえ) 3A病棟科長  チームワークを大切にし母子に優しい病棟・病院をめざして頑張ります。 渡邉 千恵(わたなべちえ) 5A病棟科長  患者さんやスタッフに助けられながら日々過しています。 根來 忍(ねごろしのぶ) 薬剤科長  総合病院で働くのは久しぶりなので、地域連携等、勉強していきたいと思っています。 坂久保正美(さかくぼまさみ) 射線技術科長  年を取った新人ですが、よろしくお願い致します。 地域医療連携室の新メンバーです! よろしくお願いします。 村松 嗣子(むらまつつぐこ) 看護師  病棟から地域医療連携室を見て来ましたが、これからは逆になります。病院と地域のより良いパ イプ役になれる様、頑張りたいと思います。宜しくお願い致します。 中村 由紀(なかむらゆき) 看護師  患者さん・ご家族の方が地域で安心して生活が出来るように支援させていただきたいと思います。  宜しくお願い致します。 三代 誠葉(みしろせいよう) 医療福祉士(MSW)  地域や病院、自分の勉強の為に日々励んでいきたいと思います。  宜しくお願い致します。 宮島みゆき(みやじまみゆき) 事務  事務員として働かせて頂いております。  まだまだ分からない事が多くご迷惑をお掛けするかと思いますが、宜しくお願い致します。 森山 智美(もりやまともみ) 事務事務  明るい笑顔で頑張ります!  宜しくお願い致します。 感染管理室ができました! よろしくお願いします 室長 玉井拙夫(副院長兼務) 副室長 奥 典宏(小児科医長兼務) 室員 古谷亜由美(専任)(感染管理認定看護師)  従来、感染対策は、感染管理会議で議論を重ね、感染管理認定看護師が中心となってICT として具体的な活動を展開していましたが、この4月から副院長を室長とする職員数3名の「 感染管理室」を設置し、看護局に所属していた感染管理認定看護師は感染管理室専任とするこ とにしました。新たな体制で感染対策の一層の充実を図ります。 〜 平成25年度 看護の日等記念行事開催のご案内 〜  近代看護を築いたフローレンス・ナイチンゲール(1820-1910)の誕生日にあたる5月12日 が、1990年に厚生労働省によって「看護の日」と制定されました。 当院では「看護の心をみんなの心に」をテーマに、下記の日程で様々な記念行事を開催する こととなりました。入院中の患者様・ご家族様をはじめ、一人でも多くの方にお楽しみいた だきたいと思います。 ※ドクター体験のお申し込みは病院ホームページをご覧ください。 企画名 対象 開催日 場所 内容 部署紹介 看護週間〜1ヶ月程度 売店前 病院内の部署や職員を紹介するパネルを掲示します。 ベッドサイドコンサート 入院患者さんとご家族 5月15日(水)、5月17日(金)14:00〜16:00 各病棟 ボランティアによる演奏会を行ないます。和やかで寛いだひと時をお楽しみいただきます。 介護教室 入院患者さんのご家族、地域住民の皆様 5月19日(日)10:00〜12:00 研修室2 患者体験、介護用品展示、レトルト食品の展示と試食を行います。 ちびっこナース体験 5月19日(日)10:00〜12:00 研修室1 ナース服を着て、記念撮影! お仕事体験もできますよ! ドクター体験 小学生・中学生60名(予約制) 5月19日(日)10:00〜12:00 講義室 縫合・腹腔鏡と、BLS(一次救命処置)の体験ができます! 一日看護体験 医療圏内の高校生20名程度 7月26日(金)13:00〜17:00 各病棟 医療圏内の高校生を対象に、看護への理解を深めていただけるよう、看護体験をしていただきます。 募集 ・・・ 「かけはし」に掲載する広告を募集しています。詳しくは経営企画課まで。 発行:神奈川県立足柄上病院 〒258‐0003 神奈川県足柄上郡松田町松田惣領866‐1    (TEL)0465‐83‐0351  (FAX)0465‐82‐5377  http://ashigarakami.kanagawa-pho.jp/ 編集:神奈川県立足柄上病院経営企画課 (内線)5520