平成22年1月1日号
新春号(通刊 第34号)

年頭のご挨拶

院長 山本裕司


 明けましておめでとうございます。
 院長に就任して早いもので9ヵ月がたちました。就任以降は日常業務に追われ、今までの病院機能を維持するのがやっとの9ヵ月だったと思います。当院は昭和25年4月県立足柄上病院として発足し、昭和37年12月に松田惣領315番地から現在の松田惣領866番地の1に移転してきました。
 昭和25年の県立足柄上病院の設立から今年で創立60周年を迎えます。人間で言えば還暦に当たり、干支が60年で一回りし、元に返ることから生まれ変わるという意味でもあるとのことです。ちょうど今年はその生まれ変わりにふさわしく、県立病院が独立法人化し、上病院の正式名は「地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立足柄上病院」となります。また法人化するに当たり、上病院の今後5年間の中期計画には1.高齢者総合医療の充実、2.救急医療体制の充実、3.産科医療体制の整備が上げられています。
 県西地域は高齢化が進み、それに伴い悪性新生物(がん・肉腫)、心疾患、脳血管疾患の死亡率が特に高く、こうした疾患に加え高齢者特有の骨の疾患や呼吸器疾患に対する治療成績の向上と予防医学への貢献が求められています。さらに高齢者特有の生活機能障害に対する対策や在宅支援など総合的な医療も展開して行かねばなりません。
 また、この地域−1市5町−には2次救急応需病院は2病院しかありません。この2病院だけではすべての救急疾患に対応することは不可能と考えています。しかし、地域の救急医療に対するニ−ズが高いのも事実であり、こうした要望に応えるにはコンビニ受診が増えている現状もふまえ地域の人たちとの話し合いの場を設け、真に必要な救急患者を診られるよう地域の人たちに理解を求めることも必要です。同時に、秦野や小田原の2次救急応需病院との協力で地域の人たちが安心して受けられる救急医療体制の構築も必要です。また、県立病院であっても経営基盤が盤石でなければなりません。職員の全員が病院経営を意識し、それに参画する環境づくりも今年の課題の一つと考えています。
 昨年は政権交代が起こり、国の医療政策がどのように変わるかは不透明でありますが、医療の原点すなわち“患者の不安と期待に忠実に応える”ことを心がけ、上病院における医療の質の向上と患者・家族および職員満足度の向上にむけ、職員一丸となってこうした課題に取り組み、将来この病院が地域医療を担っている診療所、救急隊さらに地域の人たちに真に信頼される、真の意味での中核病院になるためには何が必要で何をするべきかを考え実行する年だと考えています。皆様の協力をお願いします。


感染管理認定看護師の役割について

感染管理認定看護師 丸川いずみ


<感染とは>
 感染と聞くと、最近では新型インフルエンザによる感染を思い出される方が多いのではないでしょうか。それ以外にも感染症には、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)や風疹、麻疹(はしか)、結核なども含まれ、またこれからの時期では、ロタウィルスやノロウィルスによる感染性腸炎(下痢やおう吐)が増えてきます。他にも、手術後の傷やバルンカテーテル(尿の管)や点滴などを介して感染することもあります。これらはみな細菌やウィルスなどが人から人へうつることによって、病気を引き起こします。健康な人はうつらない場合もありますが、病院内では免疫が低下している患者様にはうつりやすく、時に病院職員にうつることもあります。感染とは、とても幅広く多岐にわたります。

<当院における感染防止の取り組み>
 当院には、感染対策会議が毎月開かれ、ICD(infection control doctor:感染制御ドクター)を中心に看護師・薬剤師・検査技師・放射線科技師・総務課で構成されたメンバーで病院全体の感染防止対策について話し合い、病院内で起きている感染を拡大させない、感染をさせないことを目的として活動しています。看護師だけで構成されている看護感染委員会も毎月開かれ、院内で一番多くかつ患者様により近いところでケアに当たっている看護師が、より効果的な感染防止対策を理解し実施できるよう活動しています。
 今年はなんといっても新型インフルエンザに対する対策でこの半年が過ぎました。4月から始まり、依然流行は拡大しています。咳や発熱で受診される場合には、マスクを着用し、病院に入ったら受診手続きの前に職員へその旨をお申し出ください。また、現在ワクチン接種は当院へ通院中であり、基礎疾患を持っている成人の患者様または妊婦の方、1歳から就学前、小学校低学年(1〜3年生)の小児に対して予約、接種を行っております。今後変更されることもありますので、詳しくは、病院ホームページをご覧ください。

<感染管理認定看護師の活動>
 私は、2009年6月に感染管理認定看護師の認定資格を取得し、院内を中心にこの2つの会議の一員として活動しております。職員や地域の保健所や介護施設などの職員を対象に研修会を開き、感染防止のための教育を行っています。また、感染を予防するために必要なことなどについて、ポスターを掲示し、職員だけでなく、外来や入院の患者様や面会の方にもお知らせしております。
 私自身まだまだ未熟ではありますが、日々勉強し、成長していけるよう頑張っております。感染対策は、病院職員だけでは成り立ちません。病院へ受診される方・入院される方・面会の方など病院へ来られるすべての人の協力が必要です。本来の病気に加えて感染を起こすことのないよう、また感染症が拡大していくことがないよう、病院職員一丸となって感染防止対策を行うことができるようにしていきたいと思っております。


 手洗いはすべての感染予防対策の基本です
 秋から春先はノロウイルスによる集団感染が多く報告されます。予防と感染を広げないためにも正しい手洗いをこまめに行う習慣を!


薬 剤 科 の 紹 介

薬剤科技幹  高柳宏

 さて皆さんは、病院の薬局の仕事というとどのようなことを思い浮かべられるでしょうか。
 ちょっと前まで薬局では、外来の処方せんを1日中調剤していました。またそれを求められてもきました。後は、製薬会社では作っていない特殊な薬や消毒薬の調製などが主な仕事でした。
 しかし、ここ十数年で病院の薬局の仕事は大きく変わってきました。いま薬剤師が病院で何をやっているか、少しだけ紹介させていただきます。
1 薬剤管理指導業務
 入院中の患者さまやご家族からのお薬に関してご質問<CODE NUM=00A5>ご相談に対応しています。疑問に思っていることや不安に思っていることを話していただければと思います。各病棟に配置されている医薬品の数量管理、品質管理も病棟に配置された薬剤師がかかわっています。
 入院時に、普段飲んでいるお薬をお持ちいただいたときにはその内容を確認させていただき、入院後に処方されたお薬との飲み合わせや、食べ物との飲み合わせについて調べます。
 この業務の大きな目的は、患者さまが確実に処方された薬を飲んでいただく、薬に対する不安を解消していただく、患者さまご本人の治療への参加意識を高めていただく、また患者と直接お話することにより、副作用の発現の防止・早期発見ができる、医師、看護師が必要とする医薬品の情報を素早く提供できる、というところにあります。
2 抗がん剤の薬剤科での調製
 抗がん剤は、その種類、使用量、使用方法など複雑で多様です。また実際抗がん剤での重大な医療事故がいろいろな病院で何件も発生しています。
 当院ではプロトコール登録された抗がん剤以外の使用はできないことになっています。プロトコールとは、薬の種類や量、使用方法などを時系列で示した治療計画書で、過剰投与や重複投与による医療事故を防ぐだけでなく、治療の標準化や効率化にもつながります。
 薬剤科には事前に登録されたプロトコールに沿って注射処方が実施の前日出されます。薬剤科では、プロトコールと照らし合わせ、薬剤の適否、その使用量、投与間隔など確認します。抗がん剤投与の当日、診察・検査結果により実施の可否が検討されてから薬剤科で、安全キャビネットという設備を用い無菌的に調整されます。この作業には2名の薬剤師がダブルチェックを行っています。患者さまにより安全かつ安心して抗がん剤の化学療法を受けていただくため、お薬の説明をさせていただいています。効果や投与スケジュールのほか、副作用やその対策についても説明させていただいています。
3 その他
 その他、治験(新しい薬を作ろうとするときには、実際に患者さまや健康な人に投与し、安全性、有効性を確かめる必要があり、この<CODE NUM=00A2>新しい薬<CODE NUM=00A3>を開発するための「治療をかねた試験」のことを治験といいます。)、注射調剤業務(医師がオーダーした薬の投与量、配合変化、禁忌等をチェックしています。)、製剤業務(製薬会社が製造していない薬を患者さまの治療に必要とする場合医師の依頼に基づいて作っています。)などまだまだ患者さまには見えない仕事がたくさんあります。
4 院外処方せんの発行
 当院では院外処方せんを発行させていただいています。病院内の薬剤師は院外処方せんを発行することにより外来の患者さまの薬を調剤することが少なくなり、病棟での仕事、抗がん剤の調整などの仕事に専念することができるようになります。
 また、患者さまにとっては、かかりつけの薬局を決めておくことにより、複数の医療機関からの処方の重複、飲み合わせ、副作用などが未然に防げる、薬の待ち時間が短縮されるなどのメリットもあります。
 このメリットを十分生かすためには、「かかりつけ薬局」を決めておく、お薬手帳などに処方された薬を必ず記載してもらうことが必要です。
 また、小田原薬剤師会の協力によるファックスコーナーを利用し、あらかじめ「かかりつけ薬局」に処方せんを送ることで、さらに待ち時間の短縮が図れます。
 以上のような状況を踏まえ、ぜひ院外処方せんの発行にご協力をお願い致します。
 まだまだ、紹介したいところはたくさんありますが紙面の都合上、今回はここまでとさせていただきます。今後も薬剤科をよろしくお願い致します。

胃カメラ、エコー検査の即日実施開始のお知らせ

 当院では平成21年10月より、胃カメラ検査と頸部(くび)・腹部エコー(超音波)検査を対象に、近隣の医院から紹介され、受診頂いた患者様にその日のうちに実施できる体制を整えております。
 検診の胃透視検査で異常を指摘された、甲状腺のはれを指摘された等の理由により精密検査が必要になった方が、スムーズに検査を受けられるよう取り組んで参ります。もちろん他の理由により即日の検査を希望される方についても対応いたします。
     ◆即日検査について
 ・胃カメラ
    原則月<CODE NUM=00A5>水<CODE NUM=00A5>金曜日 午前中
 ・頸部、腹部エコー
    平日午前11時30分〜12時
  お近くの医院を受診の上、ご紹介いただきます。
  朝食を摂られた方は、即日の検査はできません。
  紹介状なしで当院の内科予約外外来を受診された場合は、担当医にご相談ください。
お問い合わせ先:地域医療連携室  0465‐83‐0351 内線3174

シンポジウムのお知らせ

   (仮題)考えてみよう 足 柄 上 病 院

 足柄上病院は県西地域の皆さまとともに歩み、60周年を迎えます。
 そして、この春に独立行政法人として生まれ変わる県立足柄上病院を皆さまの手で育ててみませんか?

  と き: 平成22年2月20日(土)13:30〜16:00
  ところ: 開成町福祉会館
  シンポジウム: 病院長「頑張ります宣言!」ほか
  その他: 体験コーナーなど
  お問い合わせ先: 総務課 0465‐83‐0351


発 行:神奈川県立足柄上病院
    〒258‐0003神奈川県足柄上郡松田町松田惣領866‐1
(TEL)0465‐83‐0351(FAX)0465‐82‐5377
    http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/byouin/asigarakami
編 集:神奈川県立足柄上病院地域医療連携室 (内線)3178