足柄上病院ジャーナル
平成21年7月1日号

足柄上病院の病院理念
「あ」:安全で安心な医療を提供します。
「し」:社会の要請を担う政策医療を展開します。
「か」:患者中心の医療を実践します。
「み」:魅力ある自立した病院を目指します。

夏号(通刊 第32号)

副院長(医療安全推進担当)に就任して

副院長 加藤佳央

 平成21年4月より、医療安全推進担当の副院長を拝命しました加藤です。平成6年に宮本前院長の下に内科に赴任して以来15年がたちました。この間、通常の内科診療だけでなく、大学病院では自らは経験することのなかったAIDSの診療をしたり、高橋副院長指導のもとに感染対策としての、SARSや新型インフルエンザ対策等の政策的な医療にもかかわってきました。今回、院長に就任された山本先生の後を引き継いで医療安全の仕事を仰せつかり、また新しい分野への経験をつませていただくことになります。
 医療の安全は、医療を提供する私たちに課せられた終わりのない大きな課題です。医療は、患者のみなさんのためにあり、体や心の障害の治療を対象としています。そして、その医療を支える基本は、患者のみなさんと医療提供者である私たちの信頼関係にあり、医療安全が確保されない事態に陥れば、その信頼関係は根底から覆されます。
しかし、起こさない、あるいは、起こってはならないという精神論だけでは、医療事故は、なくならないのが現実です。人は間違える生き物(To err is human)です。また、他人の失敗からは学ぶことができずに自分だけは大丈夫と思ったり、自分が失敗しても、もう同じ失敗はしないだろうと考えてしまう傾向があるのも事実です。結果として、歴史は繰り返し、事故は再発しています。したがって、たとえ過誤や失敗が起こっても、被害を最小限にとどめ、できれば、被害が出ないようにすること、さらに、過誤や失敗を起こさないように未然防止するにはどうするべきかについてよく検討した上で、システムを少しでもよりよい方向に改善して行く必要があります。
 簡単な命題ではありませんが、足柄上病院の病院理念「あ・し・か・み」の「あ」である安全で安心な医療の提供を全職員で実践して行けるよう日々努力してゆきたいと思います。

緩和ケア認定看護師としての活動について

緩和ケア認定看護師  遠藤ひろみ

 はじめまして。私は平成17年「緩和ケア認定看護師」の認定資格を取得し、院内で活動しています。
 がんの患者さまは、様々な苦悩の中にいます。がんと聞いて、皆様は何を想像されますか?身体的な苦痛ですか?“なぜ自分が?”という混乱や悲しみですか?再発への不安でしょうか?がんと診断されたその時から、だれもが感じるつらさがあります。そのため、緩和ケアはがんと診断されたときから、治療と並行して行われることが望まれるケアです。 
 「緩和ケア」と聞くと、「死」をイメージされる方がおられますが、そうではありません。『あなたらしく生きる』ためのケアです。その中で、緩和ケア認定看護師は、がんと診断された時から、がんと共に歩んでいる間も、最期の時まで患者様一人一人の意志を大切にし、生きることを支え、患者様・ご家族のQOL(生活の質)の向上を目標としています。 緩和ケア認定看護師は、がんという病気と闘いながらも最期まであなたらしい人生が送れるように、あらゆる面において、生きる事を患者様・ご家族と一緒に考え、楽しい時は一緒に笑い、悲しいときは一緒に泣き、さまざまな思いを共有し、支えていく仕事です。
 当院ではBSCU(Best Supportive Care Unitの略 チーム支援病床)として、4A病棟に10床(個室5床、大部屋5床)を有しています。個室では、最期の時をご家族と過ごして頂けるようご家族がいつでも付き添いができるよう、ソファーベットやリクライニングのイスを用意しております。室内は明るく、好みのCDを聴いたり、DVDなども鑑賞できるようになっています。また、ご希望があれば家から持ってきた絵や写真を飾ったり、普段使用されていた馴染みのものを持ってきて頂き、少しでも家庭に近い雰囲気で過ごして頂けるよう配慮致しております。
 BSCUでは、チーム医療(主治医、総合診療科、外科、専任看護師8名、地域医療連携室看護師・ソーシャルワーカー、病棟薬剤師、理学療法士、管理栄養士)を実践しており、毎週木曜日に他職種医療チームで集まり、終末期への最良のケアについて話し合い、提供することを目的としています。私も、その一員として活動しています。
 緩和ケア認定看護師への相談依頼内容と致しましては、がんの進行にともなうさまざまな症状である呼吸困難感、腹部症状、排便コントロール、浮腫、疼痛をコントロールする援助を行っております。また、依頼があれば他病棟へも伺っております。
 また、エンゼルメイクの普及を目指し、最期のその時まで、その人らしくある、尊厳を大切にした関わりについて、院内への推進活動をしております。
 私自身、まだまだ未熟ではありますが、日々勉強し、人として成長できるよう頑張っております。患者様・そのご家族が抱えている荷物を少し分けて下さい。『最期の時まで、あなたらしく生きる』ためにはどうしたらよいのか、一緒に考えさせて頂きたいと思っております。


 看護の日等記念行事を終えて

 看護の日等記念行事は、近代看護学の普及に尽力したフローレンス・ナイチンゲールの誕生日である5月12日を看護の日とし、この日を含む日曜日から土曜日までの7日間が「看護週間」とされていて、そこに合わせた形で写真のポスターにあるように行事を行ないました。

◆月曜日:記念行事食とワゴンティサービス
 昼食に記念行事食として、夕張メロンのオムレットとメッセージカードをお渡ししました。大変喜ばれ、中にはお孫さんに食べさせたいと嬉しそうに残している患者様もいらっしゃいました。
 午後には、ボランティアの方と職員でワゴンティサービスを行ないました。コーヒー、ウーロン茶、子どもさんには、ジュースを準備し大変喜ばれました。

◆火曜日:健康教室
 患者様、ご家族、地域の皆様など21名の参加をいただき、「ひとりでできるセルフマッサージとリフレクソロジー」を開催しました。参加した皆様からは、「とても気持ちよかった」「日常生活に活かしたい」「本当に楽しかった」などのご意見を頂き大変好評でした。
注)リフレクソロジーとは、反射療法とも呼ばれ、主に足の裏(手の平等を含む)の特定部位を押せば体の特定部位に変化が起こる現象を活用し、疲労の改善などをはかる療法

◆水曜日・金曜日:ベッドサイドコンサート
 ベッドサイドコンサートは、音楽ボランティアの方から全面ご協力をいただいて、各病棟のディルームや病室で歌を歌い心休まるひと時を楽しんでいただきました。
 水曜日は、中井フレンズ・ナウの皆様によるハーモニカ・アンサンブルがありました。「こいのぼり」や「母さんの歌」など5曲の演奏がありハーモニカのメロディに合わせて合唱し、中には涙ぐまれる方もいらっしゃいました。

 金曜日は、合唱ボランティア“みゅーい”の皆様からキーボート演奏と歌がありました。歌に合わせた手話が披露され、患者様が手拍子をとって楽しまれている様子はご家族にとっても、病院での日常を見守る看護師にとっても嬉しいものでした。 写真は、コンサートの様子です。

各部署の紹介

 今年度は、病院の各部署を多くの患者様にお知らせしたいと思い、委託業者を含めたすべての部署をご紹介いたしました。それぞれの部署が工夫して作成したものです。
その一部を写真でご紹介いたします。

 新型インフルエンザの流行もあり、実施が危ぶまれましたが、多くのボランティアの方と委託を含めた多くの職員の力を結集して、少しでも一時でも患者様やご家族の皆様に楽しんでいただき
たいと企画したことの全ての日程を無事終了することできました。心よりこの場をお借りして御礼を申し上げたいと思います。また、今後とも患者様・ご家族の皆様にとって当院の理念である魅力ある自立した病院作りを目指し、努力していきたいと考えます。(看護の日等記念行事実行委員会)

リハビリテーション科の紹介

理学療法士 鳴海豊

 平成3年4月にリハビリテーション科は設置されました。
 現在のスタッフの構成は、非常勤のリハビリテーション専門医1名、理学療法士3名、マッサージ師2名、作業療法士2名、非常勤の言語聴覚士1名となっています。
 施設基準は、脳血管疾患等リハビリテーション(U)、運動器リハビリテーション(T)、呼吸器リハビリテーション(T)を承認されております。

  診療体制と対象疾患

 リハビリテーション科医師による診察は毎週木曜日の午後に行っております。
 対象は今までリハビリテーション科の診察を継続している外来患者様、当院他科から併診された入院と外来の患者様となっております。当院以外の病院からリハビリテーション科への診察をご希望の場合には、一度当院の他の診療科を受診していただき、その科からの併診によって予約を取らせていただくことになります。
 リハビリテーション科では理学療法、作業療法を実施しております。言語療法については非常勤の言語聴覚士が、週に1日の勤務のため言語機能障害の検査を主におこなっております。
 理学療法の対象疾患は、平成19年度、整形疾患49%、脳梗塞などの中枢疾患21%、呼吸器疾患7%、神経難病3%、心臓疾患2%、その他18%でした。最近は高齢者の方で呼吸器疾患や心臓疾患で入院されているあいだに、力が弱くなり歩けなくなるという廃用症候群に対する理学療法が、多くなっているのが特徴です。
 作業療法の対象疾患は、平成19年度、脳梗塞などの中枢疾患48%、整形疾患36%、神経難病5%、リウマチ1%、その他10%でした。特に中枢疾患は高次機能障害のある方、整形疾患では手指の外傷の方が多くなっております。
 理学療法、作業療法とも脳梗塞や脳出血の患者さんは、当院での急性期治療のあと、2〜3週間で在宅復帰か、回復期リハビリテーション病棟のある病院に転院されることが多くなり、発症直後からの急性期リハビリテーションを重点に行うことがリハビリテーション科の責務となっています。
 今後は呼吸器疾患、心臓疾患の理学療法、作業療法の急性期治療の充実と介護保険制度での治療に移行される高齢者の方のために、地域医療連携室との連携をより密接にして地域リハビリテーションに貢献していきたいと思っております。

潜在看護師のための復帰支援研修のご案内

 近い将来看護師として社会復帰を考えられている方のために、病院の看護
実践の現状を理解し、看護技術の再確認をする機会としてこの研修を企画し
ました。ご希望の方は、下記の要領にてお申し込みください。

1.日 時  平成21年10月1日(木) 9:00〜12:30
       平成21年10月2日(金) 9:15〜16:30
2.場 所  足柄上病院 3号館1階 研修室1
3.内 容  ・病院概要 ・感染防止対策 ・医療安全対策(技術演習を含む)
       ・病棟体験(看護師について見学します)
4.申し込み方法
     FAX:0465‐82‐5377にて下記の内容をご記載のうえ、お申し込みください。
     あて先:県立足柄上病院 看護教育科 宛
     記載内容:・住所・氏名(ふりがな)・連絡先(TEL番号またはFAX番号)
          ・希望する病棟(外科系、内科系、小児・母性)
5.申し込み期限  平成21年9月11日(金)
6.持ち物  ・ユニフォーム(ユニフォームの準備ができない方はご相談ください)
       ・靴(ナースシューズか白の運動靴) ・筆記用具

*問い合わせ先…教育担当副看護局長 高橋 電話 0465‐83‐0351(内線5517)

ヘルニア外来開設のお知らせ

 当院では平成21年4月より、成人そけいヘルニア・大腿(だいたい)ヘルニアを対象とした専門外来を開設しています。

 そけいヘルニアは腹壁の弱い部分から腸が飛び出してくるためにおこる疾患で、俗に脱腸とも呼ばれます。立った時やお腹に力のかかった時に足の付け根にやわらかい腫れを感じるのが典型的な症状です。手術以外に根本的な治療はないため、治療を希望される方には手術をお勧めいたします。大変ポピュラーな疾患であり、多くの外科のある病院で行われていますが、当院では専門外来にて専任のスタッフが診療にあたり、質の高い医療、すなわち痛みが少なく、再発のない手術を目指して、最新の知見や研究結果を取り入れてベスト・プラクティス(最高の診療)を提供できるよう日々取り組んでおります。手術の前日に入院して、翌日に退院する2泊3日の入院を原則としています。

◆受診を希望される方は                            
 毎週木曜日の14時から15時に受付をしております。初診の方は、初診受付(1号館1階)にお越しください。初診の患者さんの診察時間は14時30分からとなります。(患者さんの人数によっては少しお待ち頂くこともあります)
 当院の診察券をお持ちの方は、お電話での予約も可能です。地域医療連携室までご連絡ください。