平成21年5月1日号
春号(通刊 第31号)

病院長就任にあたり
院 長 山本裕司

 このたび4月1日より病院長に就任しました山本です。宮本前院長はじめ歴代の院長が主張してこられた県西部の医療の充実をこれからも目指していく所存です。県西部の中核病院として地域の医療の充実を図るには、まず、当院における医療体制の充実が第一と考えています。
足柄上病院の病院理念である「あしかみ」は今後も踏襲し、充実したものにしたいと考えています。あしかみの「あ」は加藤副院長を中心に安全で安心した医療の提供を目指し、「し」では高橋副院長を中心に社会・地域の要請を担う救急医療をはじめとする政策医療の充実を図り、「か」では当院の職員全員で患者中心の医療とは何かを考え実践していくことを心がけ、「み」では私や三浦総務局長、高橋看護局長を中心とした魅力ある自立した病院作りを目指したいと考えています。
私が当院に外科部長・医療安全推進室長として赴任したのは平成16年9月でした、当時外科の一員として3つの「S」をかかげて実践することに努めてきました。すなわち、業務の単純化(Simple)、業務の迅速性(Speedy)、安全性(Safety)です。オーダリングや各種書類をはじめとして業務の複雑さや業務量の多さ、それらが医療事故に繋がりかねないと心配したからでした。個人個人の意識改革や、スキルアップによりそれらは徐々に改善されつつあると思っています。今後はこの3つの「S」に、もう2つの「S」すなわち節約(Saving)と満足度(Satisfaction)の向上を加えた5つの「S」を目標にしたいと思います。
節約とは経費削減はもちろんのこと無駄な時間の削減もその一つです。各部門の工夫やスキルアップにより経費削減や業務時間の短縮に繋がると思います。また、時間の短縮は患者待ち時間の短縮にもなり、患者満足度や職員満足度が向上するものと期待しています。すなわちこれらの5つの「S」は医療の質と患者・職員の満足度の向上に繋がると期待しています。
県立病院は、平成22年4月に地方独立行政法人へ移行し、柔軟で弾力的な病院経営による経営基盤強化や高度・専門医療、救急医療、災害医療、感染症医療、地域特性に対応する医療提供など、県民が求める良質でわかりやすい医療を安定的、継続的に提供していくこととなりました。こうした中で、来年度は足柄上病院の創立60年にあたり、病院が大きく変わる年でもあります。
その準備として今年度は1.地方独立行政法人化への準備、2. オーダリングシステムの更新、3. DPC(diagnosisprocedure combination)導入への準備と病院にとって大事な年になりそうです。今後とも地域の住民の信頼を高め、上病院を魅力ある病院にするとともに、県西部の医療の充実に向けて職員一丸となって努力したいと考えています。

こんにちは、栄養管理科です
栄養管理科長  野渡祥子

 『こんにちは、栄養管理科です。』こう言って、病室に伺うことが多くなりました。食べることは病気の回復や状態とも関係してきますので患者さんの関心も高いものです。そこで患者さんやご家族からいただいたいろいろなご意見やご質問をここでご紹介しながら、皆様にお答えしていきたいと思います。
栄養管理科って何をしている所ですか 
ひとつは入院している患者さんの毎日の食事を作っています。赤ちゃんのミルクから、いろいろな病気に合わせたエネルギーやたんぱく質、脂質塩分の異なる食事、歯が悪かったり、飲み込みが悪かったりする方の食事、固形の物が摂れなくて特別に調整した流動食などさまざまです。
ふたつめは入院患者さんの栄養状態を判定して状態に合わせて一人ひとりに合った食事にしていきます。特に低栄養の方に対しては、医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師などとチーム(栄養サポートチーム、略してNSTといっています)を組み、早く口から食べられるように、早く栄養状態が良くなって退院できるように援助していきます。
三つ目は外来や入院中の患者さんや家族に対して、食事療法や食生活についての指導助言をしています。食事療法は難しいと考えずに、一人ひとりに合ったやり方を一緒に見つけていきましょう。
食の安全が問題となっていますが、
病院の食事は大丈夫ですか。
昨年は問題のある製品が、病院の食材の一部に使われていたことから、皆様にご心配をおかけしました。食事に使用する食材の選定については、より厳格に努め、良質で安心できる国産品を主と
して使用します。また、今後も安心安全な食事サービスをめざして努力をしていきます。
 さらには、おいしく楽しみとなる食事作りを目指します。
味が薄くて食事がすすまないのですが
 生活習慣病予防のためには食塩の摂取量を一日10g以下にすることが推奨されています。そのため病院では普通の食事で10g前後を標準として調味しています。毎年行われる国民健康栄養調査では、日本人の平均的な食塩の摂取量は一日12gを少し切っています。ところがこの足柄上地区は残念ながら県内でも塩分摂取が多く、私たちが患者さんの食事記録をチェックすると1日15g以上の方もざらにおられます。そのため、病院の食事は味がないとのご意見がしばしば聞かれます。調理スタッフは料理に味の濃淡をつくり変化をもたせたり、薄味でもおいしい酢の物や香辛料を利かせたものなど工夫して作っています。高血圧、動脈硬化、心臓病、腎臓病などを進めないためにも、適塩生活を始めてみませんか。
こんなこともやってもらえるのでしょうか
 例えば、在宅の方のご自宅での栄養や食事の指導などは、地域医療連携室の兼務スタッフの一員として、ご希望があればやっていきたいと考えています。
 例えば、一人暮らしで特別な食事が作れない方には、宅配食や宅配の食材などをご紹介し、使い方や作り方を説明しています。
 例えば、飲み込みの不自由な方が自宅へ戻られたときに、余り手を掛けずに家族の食事と一緒に作る工夫やコツをお教えしています。

 食べることは生きることにつながります。よりよく生きるためにより良く食べましょう。

足柄上病院ドクター紹介シリーズJ  〜新任の医師〜
@診療科
A専門分野
Bモットー(座右の銘) 
C趣味

水摩晃一
@ 整形外科
A 整形外科一般
B 一生懸命
C スポーツ

中原将光
@ 眼科
A 白内障、屈折矯正網膜硝子体
B 全力投球
C マリンスポーツ

石田寛明
@  泌尿器科
A 泌尿器科一般
B 地道にコツコツ
C ドライブ、部屋の掃除

地域医療連携室新任紹介

看護師 鈴木勢津子
 亜急性病棟を担当させていただくことになりました。主な業務は、リハビリ期にある人の在宅復帰支援です。
 地域の関係機関やリハビリテーション科と連携し、住み慣れた地域での生活が安心してできるよう支援をしていきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

福祉職 田島靖子
 地域医療連携室のソーシャルワーカー、アドボカシー室長の田島です。
 患者さん、ご家族の方が安心して足柄上病院にかかれるよう、努めたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 病院内各所に「ご意見箱」が設置してあります。様々なご意見をお寄せください。また、地域医療連携室にご相談にお寄りください。

「がん化学療法看護認定看護師」について

がん化学療法看護認定看護師  
石田由美子

 私は、2008年6月に「がん化学療法看護認定看護師」の認定資格を取得し、院内を中心に活動を行っています。
 がんに対する治療には、手術療法・放射線治療・化学療法といった方法があります。そのなかで化学療法は、「抗がん剤」とよばれる薬品を使用する治療です。皆さんは「抗がん剤」と聞くと、どのようなことを想像されるでしょうか?「吐き気が強い」「髪の毛が抜ける」といったイメージをお持ちの方もおられると思います。このような症状は「副作用」とよばれます。抗がん剤による治療では、がん細胞を攻撃すると同時に、正常な細胞にも影響がおよぶため、例にあげたものをはじめ、様々な副作用が現れます。
 この副作用については、治療前にきちんと知っておかないと、何故こんな症状がでるのか?と不安になりますし、辛いお気持ちだけが強くなると、抗がん剤治療をつづけていく意欲も低下してしまいます。抗がん剤治療を医師からすすめられたとき、使用する薬品でどのような副作用がおこるのか?それに対してどのようにしたら普段の生活を送れるのか?治療中に気をつけなくてはいけないことがあるのか?といった内容を十分にご理解いただいてから治療方法の選択をして頂きたいと思います。
 また、現在では今までの抗がん剤に加え、「分子標的治療薬」という、がんの中のある一定の分子にだけ攻撃をしてがんを治療する薬剤や、ホルモン剤など多数の薬品が登場しており、治療内容によっては非常に高額な医療費がかかることがあります。
 「がん化学療法看護認定看護師」は、当院にご入院中または外来受診中の方で、これから抗がん剤による治療を始める患者様、現在行っている患者様に、抗がん剤治療を選択する際の副作用などの説明、副作用そのものに対する援助、患者様ご自身が副作用に対応できるような援助、化学療法にかかる医療費に関するご質問への対応、そして、患者様を支えるご家族様への援助をおこなっています。
 私は外科病棟(4A病棟)に勤務していますが、依頼があれば他病棟にもおうかがいしています。また、2009年1月より、毎月第1・第3木曜日に「がん薬物療法相談室」を開設し、患者様からの様々なご相談に応じています。
 抗がん剤治療中の患者様から最も多く相談される内容は、「脱毛」と「味覚障害(味を感じないなど)」「食欲不振」です。脱毛に対しては、かつら(メディカルウィッグ)のご購入の相談に応じ、ご希望の方には専門業者によるかつらの試着なども行っています。また、院内の売店では脱毛時に使用する帽子の販売を行っています。食事が美味しく食べられないという方へは、味付けの工夫や、簡単に栄養をとれるメニューのご紹介をさせていただいたり、食欲が落ちている時に食べやすい食事などを紹介しています。その他、抗がん剤治療に関する様々な情報提供を行っています。抗がん剤治療に関して決してお一人で悩まずに、相談室開設日にどうぞお気軽にご相談にいらして下さい。

がん薬物療法相談室
場  所…3号館3階 糖尿病指導室
実施日時…毎月第1・3木曜日午前9時から12時
担当者…がん化学療法看護認定看護師
               石田由美子
 当院で化学療法を行っている患者さん・ご家族の方で相談したいことがある場合は、開催日に直接糖尿病指導室にお越し下さい。

足柄上病院神経内科における臨床指標
(クリニカルインディケーター)

神経内科医長      
内藤誠
 神経内科とはどんな科であるか分からない方も多いと思います。精神科や神経科とは異なり、心の問題を扱う訳ではありません。脳や脊髄、筋肉、末梢神経の疾患を内科的に診断、治療する診療科です。そんなわけですから、外科系の診療科のように手術があるわけではありません。また内科のように、内視鏡を駆使して治療を行ったりすることもありません。そこで、当科のクリニカルインディケーターとは何ぞや、ということになるのですが、インターネット上で公開されている他院の例を見ると、疾患名と人数の記述がほとんどですのでこれに倣いたいと思います。下記に2004年と2008年の入院患者さんの疾患名を記します。2004年、2008年いずれも脳血管障害(脳梗塞、脳出血、一過性脳虚血発作)が最も多いことには変わりが無いのですが、2004年から比べると脳血管障害の比率は減少し、神経難病と呼ばれる疾患が増えているのが見て取れます。これらの中には有効な治療法が確立していないものも多く、また診断も難解なことが多いのが実情です。そのため、昨年度より大学病院から月に2〜3回、非常勤で医師の派遣をお願いしております。これにより、診療の質の向上が図れていると考えております。常勤医師が1名で、検査を始め様々に制約がある現状ですが、可能な限り地域医療に貢献したいと考えています。